ICL

ICL(眼内コンタクトレンズ)とは

ICLは、視力矯正手術の一種で、眼内に特殊なレンズを挿入することで屈折力を変え、近視・乱視を矯正し、視力を回復させます。
眼の内側にレンズが入るため、コンタクトレンズのように日常生活の中で外れてしまうこともなく、異物感もありません。メガネやコンタクトなしでも、裸眼と同じ快適さで視力が回復します。
また、レーシックのように角膜を削らないため、より見え方の質が高いことが報告されています。

こんな方におすすめ

  • 「角膜が薄い」など、レーシック適応外の方
  • 角膜を削るのが不安な方
  • 強度の乱視・近視の方
  • コンタクトレンズが合わない方
    (ドライアイやアレルギー性結膜炎など)

ICL手術を受けられない方(適応外となる方)

下記のような場合は、ガイドラインに基づきICL手術は適応外となる場合があります。

  • 21歳未満の方、高齢で白内障などの症状がある方
  • 白内障、緑内障、角膜や網膜の疾患、ぶどう膜炎などある場合
  • 妊娠中や授乳中の方
  • その他、全身疾患があり医師の判断により不可となった方 など

ICLの特徴

角膜を削らずに視力矯正ができる

レーシックは角膜を削って視力を矯正しますが、ICLは目の中に専用のレンズを挿入して視力を改善する方法です。そのため、ICLはドライアイになりにくいという利点があります。さらに、レーシックと比べて視力の後戻りが少なく、長期的に安定した視力を保ちやすいのもICLの大きな特徴です。

レンズ紛失の心配がない

ICLは眼内にレンズを挿入するため、表面が汚れたり曇ったりする心配がありません。さらに、一般的なコンタクトレンズのように毎日のケアが不要で、旅行や外泊、万が一の災害時でもレンズをなくす心配がないのも大きな利点です。

日帰りで手術ができる

目の手術は、感染リスクを最小限に抑えるためにも、できるだけ短時間で行うことが大切です。ICL手術は日帰りでの手術が可能です。左右の目を同じ日に手術することもできます。
※日帰り手術とはいえ、手術当日までに検査が必要となるほか、術後の経過観察のため数回の通院が必要です。

強度の近視の方や角膜の薄い方も手術を受けられます

ICLは、手術を受けられる対象が幅広いという点も大きな特長です。レーシックでは、強度近視や角膜が薄い方、軽度の円錐角膜の方などは適応外となるケースが多く、手術を受けられないことがありますが、ICLなら治療の選択肢となることが多くあります。

万が一の場合にはレンズを摘出することができます

ICLは、必要に応じて摘出可能な視力矯正レンズです。万が一、視力に問題が生じた場合や、他の眼疾患が発生した場合など、再手術によって摘出することができます。

ICLのメリット・デメリット

メリット

  • 眼鏡やコンタクトレンズのわずらわしさがない
  • 視力の長期安定性がある
  • 手術の適応範囲が大きい
  • 手術後にドライアイになりにくい
  • 白内障などになってもレンズを取り除き治療ができる

デメリット

  • レーシックに比べ費用が高額になる
  • 手術を受けるまでに時間がかかる
  • 眼内手術のため術後のケアが重要になる
  • 眼内手術による感染症のリスクがある
  • 白内障や緑内障のリスクがある

手術方法

手術は局所麻酔(通常は点眼による麻酔)を用いて行います。はじめに、角膜の外縁部(角膜輪部)に約3mmの小さな切開を加え、眼内に粘弾性物質を注入して空間を確保します。
その後、筒状の専用器具に装着されたICL(眼内コンタクトレンズ)を眼内に挿入し、虹彩と水晶体の間にある後房にしっかりと固定します。
最後に眼内を洗浄し、必要に応じて切開部を縫合して手術を終了します。

Step1

3mmの切開創からインジェクターにて挿入します

Step2

眼内でレンズがゆっくり広がります

Step3

指示部を虹彩の後ろに挿入します

Step4

ICLレンズを毛様溝に固定します